結晶多形判別

  • 医薬品原薬の多形判別
  • 医薬品の結晶化度評価
  • 検出限界の微量成分検出
  • 関連するアプリケーションバイト
~原薬の多形分析の重要性~

医薬品の原薬は、温度湿度などの影響により結晶多形あるいは擬似結晶多形へと相転移することがあります。複数の結晶多形もしくは擬似結晶多形が存在する場合、それぞれの結晶多形ごとに溶解度や体内への吸収速度が異なることから、医薬品の開発・製造においてその制御や評価が非常に重要になります。

 MiniFlexによる原薬の結晶形同定

結晶多形の存在が既知の場合、被検試料の回折パターンと各結晶形の標準的な回折パターンにおいて、ピークの位置(回折角度)とピークの強度比を比較することで、結晶形を同定することができます。

図1 トルブタミド原薬の結晶形同定結果

トルブタミド原薬の結晶形同定結果

結晶多形の同定例として、血糖降下剤として知られているトルブタミドの分析例を示します。被検試料の回折パターンと、I、II、III型の標準的な回折パターンとを比較すると、被検試料の回折パターンは「I型」の回折パターンとよく一致していることがわかります。

 MiniFlexによる極微量試料の分析例  

一般的な試料ホルダーを用いる場合、試料板の影響を受けないデータを得るには有機物で0.3g程度の試料量が必要ですが、無反射試料板を用いることで、1mg以下でも試料板の影響を受けないデータが得られます。

図2 極微量試料の定性分析 図2-1 無反射試料板
無反射試料板

テオドール錠から得た微量粉末(重量0.05mg)の分析例

極微量試料の結晶相同定の例として、気管支拡張薬として知られているテオドール錠の分析例を示します。わずか0.05mgの試料片を3分で測定した結果、原薬はテオフィリン無水物、賦形剤はラクトース一水和物と同定されました。

~原薬の結晶化度解析の重要性~

粉砕・乾燥などの処理により原薬が非晶質化することがあります。非晶質化した原薬の溶解性やバイオアベイラビリティ、安定性などは結晶質の原薬のものとは異なりますので、原薬中の結晶質の割合を結晶化度として数値化することが求められる場合があります。

 MiniFlexによる原薬の結晶化度解析

非晶質物質と結晶質物質を測定した場合、幅の異なるプロファイルが得られます。物質の結晶質部分に由来する「ピーク」と非晶質部分に由来する「ハロー」を分離してそれぞれの積分強度(面積)を求めることにより、結晶化度を算出できます。

結晶化度とは

図4 原薬の結晶化度解析

テルフェナジンの結晶化度解析結果

結晶化度算出の例として、抗アレルギー薬として知られているテルフェナジンの分析例を示します。ピーク分離法により、「ピーク」と「ハロー」を分離し結晶化度を算出した結果、sampleAの結晶化度は54%、sampleBの結晶化度は71%と算出されました。

微量擬似多形の検出限界算出

試料に含まれる成分の重量分率は、回折ピークの積分強度から算出されます。どこまで微量な成分を分析できるかは検出限界と定量限界として算出されます。

図3 微量擬似多形の検出限界算出

試料:気管支拡張薬 テオフィリン無水物中の微量擬似多形(テオフィリン水和物)

極微量な擬似多形の分析例として、気管支拡張薬として知られているテオフィリンの分析例を示します。テオフィリン無水物中のテオフィリン一水和物の分析では、検出限界が0.10mass%、定量限界が0.35mass%と算出されました。

関連するアプリケーション(バイト)

会員サイトやアプリケーションページに掲載しているアプリケーション・アプリケーションバイトをご紹介いたします。

MiniFlex300/600による医薬品原薬の品質管理  

医薬品の原薬は、温度や湿度などの影響により結晶多形あるいは擬似結晶多形へと相転移することがあります。複数の結晶多形もしくは擬似結晶多形が存在する場合、それぞれの結晶多形ごとに溶解度や体内への吸収速度が異なることから、医薬品の開発・製造において、その制御や評価が非常に重要になります。

Rigaku.comダウンロードページへ 

微量結晶多形成分の定量  

同じ化学式で結晶構造の異なる物質を結晶多形と呼びます。X線回折プロファイルは測定した物質の結晶構造に依存するため、X線回折測定は結晶多形の評価に用いられます。ここでは試薬として市販されているルチル (TiO2)構造の酸化チタンに含まれる微量のアナターゼ (TiO2) 成分を、高速一次元検出器を用いて標準添加法にて評価した例を示します。

Rigaku.comダウンロードページへ 

原薬中の微量非晶質成分の高感度測定  

有機物の一部では、非晶質は結晶質と比較して不安定な状態であるため、外的要因により容易に結晶質に転移することがあります。特に医薬品の場合、結晶化度の違いは、結晶多形以上に物理化学安定性や溶解性が著しく異なる場合があります。そのため医薬品中の非晶質成分を定量的に評価することが必要となります。結晶質中の非晶質を定量する方法としてX線回折測定法と熱分析(熱刺激電流測定法)があります。X線回折測定は結晶質成分から生じるピーク強度と非晶質成分から生じるハローの強度比から、熱刺激電流測定では非晶質成分のガラス転移に伴う脱分極スペクトルから低濃度の非晶質成分の定量分析を行うことができます。

Rigaku.comダウンロードページへ 

MiniFlex300/600 バルク試料の測定例2 ~錠剤~  

粉末X線回折装置はセラミックや鉱物などの無機材料から医薬品などの有機材料まで、多くの産業・研究分野で幅広く用いられています。MiniFlexシリーズは、据え置き型粉末X線回折装置と比較して、本体体積が1/20、重量1/10、AC100Vコンセント電源で動作可能なデスクトップ装置です。

Rigaku.comダウンロードページへ 

MiniFlex300/600 微量試料の測定  

粉末X線回折装置はセラミックや鉱物などの無機材料から医薬品などの有機材料まで、多くの産業・研究分野で幅広く用いられています。MiniFlexシリーズは、据え置き型粉末X線回折装置と比較して、本体体積が1/20、重量1/10、AC100Vコンセント電源で動作可能なデスクトップ装置です。MiniFlexシリーズの最新機種として、最大定格出力600Wの高出力タイプ(MiniFlex600)と、水道設備不要・省スペースの300Wタイプ(MiniFlex300)があります。

Rigaku.comダウンロードページへ 

医薬品錠剤の反射法測定~部位ごとの結晶相を同定する~  

X線回折では目的により試料を反射法と透過法で測定します。反射法では試料の切断・粉砕といった試料調製が必要な場合もありますが、シンプルな光学系を選べることから、小型・安価な装置でも測定できます。測定部位ごとの反射法測定を行うと、各部位での結晶相同定(定性分析)や結晶性(結晶子サイズ)の比較ができます。

Rigaku.comダウンロードページへ 

~原薬の結晶形の種類を調べる~ 固体医薬品の評価法①  

医薬品原薬は、温湿度などの外部刺激を受け、結晶多形や水和物を含む擬似結晶多形へと結晶相転移することがあります。溶解度や体内への吸収速度は結晶形ごとに異なるため、医薬品開発、製造においては、結晶多形/擬似結晶多形を的確に管理することが重要です。それぞれの結晶多形/擬似結晶多形は異なる結晶構造をとり、それらに粉末X線回折法や示差走査熱量測定を適用することにより、異なるパターンを検知できます。
本資料では、結晶多形の存在が既知の場合に、粉末X線回折法による結晶形の同定と、微量の擬似結晶多形の検出、および示差走査熱量測定による結晶形の同定という3つの手法を活用し、被験試料の結晶形を調べる手法について紹介します。

Rigaku.comダウンロードページへ 

~非晶質の有無を調べる~ 固体医薬品の評価法②  

錠剤や粉末などの固体医薬品の製造工程において、粉砕、乾燥、打錠などの処理が加えられると、その影響で本来結晶である成分が非晶質化するケースがあります。非晶質は、結晶の特性である対称性や周期性がなく、乱れた構造を持つ固体物質を指します。結晶質と物性が異なるため、固体医薬品の製造においては、非晶質の有無や結晶化度を調べることが重要になります。
本資料では、非晶質の有無を調べる示差走査熱量測定と粉末X線回折法を紹介し、さらに粉末X線回折法の多重ピーク分離法、Hermans法、およびVonk法を用いた結晶化度の算出手法について解説します。

Rigaku.comダウンロードページへ 

 ~水和物について調べる~ 固体医薬品の評価法③  

水和物と無水物は結晶多形または擬似結晶多形と呼ばれる関係にあり、温湿度、雰囲気、圧力、賦形剤などに対する物理的・科学的安定性などが異なります。水和物は溶解速度が大きいことが知られているため、固体医薬品の品質保持や製造過程におけるトラブル回避のために、擬似結晶多形の有無とそれらの性質を正確に把握することが求められます。
本資料では、熱分析(DSC、TG-DTA)、粉末X線回折(XRD)、およびX線回折-示差走査熱量(XRD-DSC)同時測定により、試料の水和数や結晶形の同定から、温湿度などの雰囲気を変えながら試料の変化を調べる試験まで、さまざまな測定例を紹介します。

Rigaku.comダウンロードページへ 

 

ページの先頭へ