非凍結での高速測定

現在は、蛋白質結晶のX線照射によるダメージの軽減のため、結晶を液体窒素温度付近で凍結して測定することが一般的です。ここで、結晶の凍結時に使用する抗凍結剤は、蛋白質結晶の種類ごとに適したものを使用する必要があります。相性が良くない抗凍結剤を使用すると、結晶の質の劣化を招き、結晶の持つ潜在能力を引き出すことができなくなります。また、抗凍結剤は結晶中で蛋白質と相互作用し、蛋白質分子を若干変化させるといわれています。このような、抗凍結剤による結晶の質の劣化防止や抗凍結剤を用いた結晶凍結によるfreeze artifactから解放された室温での構造解析の重要性が、近年議論されています。 抗凍結剤を使用しない室温での測定が、高輝度のX線発生装置、新しく開発した1光子検出型ハイブリッドピクセル検出器「HyPix-6000HE」、CrysAlisProによる最適化された測定スケジュールを組み合わせることにより、実験室の装置で可能となりました。

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Sample:Tetracyanoethylene(TCNE).

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Micro RT使用例

推奨装置(測定装置)

XtaLAB Synergy システム

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