熱水変質や低温低圧化で形成される鉱物は細粒かつ結晶度が低い場合が多く、特に柱状・針状結晶の場合,集合として産出する事が多く見られます。結晶がマウントできたとしても、反射が弱すぎる場合や、単結晶のように見えても少しずつずれた複数の結晶が重なっているため測定・解析困難です。本天然鉱物でも、針状結晶が集合し球状集合体を形成する典型的な産状例となっていました。この多結晶状態の天然鉱物でも、高輝度のX線発生装置のCu線源、新しく開発した1光子検出型ハイブリッドピクセル検出器「HyPix-6000HE」、CrysAlisProによる最適化された測定スケジュールおよびデータ処理能力を組み合わせることにより、高精度解析が実現しました。