近年クライオ電子顕微鏡を利用した有機化合物の極微小結晶の電子線回折(ED)が脚光を浴びています。EDは主に多重反射の影響があるため、1 µmを超える結晶の測定・解析には適していませんが、数100nmの微小結晶が測定できるという利点を持っています。しかしながら一部の論文や科学記事では、比較の対象である単結晶X線構造解析の現状について、論文投稿に必要な質の構造解析を行うためには、数100 µmの結晶を必要とするとの記述が散見されます。この記述の真偽を検証するため、最新のラボ装置XtaLAB Synergyを用いて、市販薬のカプセル中の微細粉末結晶の構造解析を実施しました。