Webinar (オンデマンドセミナー)

「単結晶X線構造解析でわかること」 Q&A

Q: どれぐらいの大きさの単結晶が取得できれば、解析可能ですか?
A: 通常は0.2〜0.3mm位ですが、最近では0.01mm角の結晶も可能となってきました。むしろ大きさよりも結晶の質が大きく影響します。

Q: 結晶の質はどのように判断するのですか?
A: 一番簡単な方法は実際にX線を当てて見てスポットが写るかどうかです。

Q: 0.01mmのようなサイズの場合、あらかじめ多結晶であるか、単結晶であるか、どのように区別するのですか?また、その質はどのように判断するのですか?
A: 実体顕微鏡で見て1粒であれば単結晶です。このような結晶にX線を当てて、スポットが表示されれば測定が可能です。

Q: シリカゲルやオパール、水晶は水分の含有量の違いで、結晶構造が変わると有りますが、この水分の結合については別の測定が必要になるのでしょうか?
A: 注意深く測定を行えば、含まれている溶媒分子を決めることができます。

Q: どの程度の分子量まで解析可能でしょうか?
A: 分子量というよりも原子数で考えた方がよいかと思います。低分子の単結晶構造解析としては、非水素原子が250個くらいの分子は解析できています。

Q: 0.01mmの単結晶を測定する場合、通常の装置で測定できますか?
A: 小さい結晶の測定には、強いX線源、高感度検出器をもつ装置が必要となりますが、通常市販されている装置でもこのような特性を備えた装置が出回っています。

Q: 光やX線で重合するような有機化合物の場合でも、単結晶X線構造解析で構造決定できますか?
A: 単結晶状態が保たれる範囲においては、反応の前後の分子構造を解析することができます。このような反応は結晶相反応と呼ばれており、多数の例が報告されています。